吉村 望
医学博士、
前鹿児島大学教授(麻酔科)
私は、当院ではペインクリニック(疼痛外来)を担当しています。 鹿児島大学医学部付属病院では、手術を受ける患者さんの麻酔管理とともに疼痛外来を専門に行なってきましたが、平成11年4月から当院に勤務しています。
原因のわからない疼痛に悩んでいる方は多いものです。最近、診断学の進歩によってその原因がわかるものも多くなってきました。様々な痛みについて、その診断と治療を行なう診察部門がペインクリニックです。 対象となる主な疾患には、頭部・顔面痛、頚肩・上肢痛、腰下肢痛、そのほか 帯状疱疹痛、癌性疼痛などの、数多くの痛みを伴う疾患だけなく、顔面神経麻痺、顔面痙攣、突発性難聴や、脳膜血管閉塞症、アレルギー性鼻炎、 自律神経失調症などの痛みを伴わない疾患も含まれます。
痛みに対する治療法は、これまでは薬物療法に偏っており、効果がない場合は、手術療法が行なわれるのが一般的でした。
私どもの疼痛治療法(ペインクリニック)は神経ブロックを主として薬物療法や手術療法の中間に位置し、それぞれの欠点を補い補完する第三の治療法といえます。(図)
神経ブロックとは、痛みを伝える神経に直接あるいはその近くに特別な注射針を用いて局所麻酔薬などの薬物を注入し、疼痛の緩和をもたらす方法です。
神経ブロックには血行を改善する作用もあるので、単に痛みをとるだけでなく痛みの原因となっている病気本体の治療効果もあります。
最近では、痛みに対する考え方も随分変わってきました。私どもは、殆どの痛みは我慢すべきものではないと考えています。例えば日本では未だに一般的となっていない無痛分娩法の普及も真剣に考えるべきです。また、高齢化社会の到来とともに、ますます需要が盛んになってきた、癌末期の痛みの緩和療法の一環を担うのも、ペインクリニックの大きな役割と考えています。
痛みを確実に診断して早期に治療し、QOLを全うしたいものです。どうぞお気軽にご相談にお越し下さい。
先生は、長年の経験を生かし、患者さんに”痛み”の原因や治療について とても分かりやすく丁寧に説明して治療にあたっておられます。豊かな人間性と、 包容力のあるお人柄ですので、受診されたある患者さんは、「先生に話を聞いて もらうだけで、痛みがやわらいだような気がします。」と話しておられました。
皆さんどうぞお気軽においで下さい。
〒890-0008鹿児島市伊敷2丁目1番2号
TEL099-220-1730 FAX099-228-9740
HP:https://uemura-hospi.site.kagoshima.jp/
Mail:uemura-hospi@po4.synapse.ne.jp